
ポップアップジオラマの新作です。シーン的には「箱世界」のリメイクですが、すべて"紙"というのがハードルが高いです。ましてやそれをポップアップにするとなるとひたすら試行錯誤の連続・・・。
誰でもすぐ思いつくようなことは、たいてい全世界の多くの人がやっています。ちょっとひねったつもりでもやっぱり世界は広いので同じようなことを思いつく人は必ずいます。
時代の流れというのか、時の醸成というのか、「電話」も「飛行機」も決して一人の人間が思いついたものではなく、世界各地で多少の時間差はあるにしても独自に考えていたひとが何人もいたという事実。ベルもライト兄弟もたくさんいた訳です。
ベルやライトの時代からみると世界中を大量の情報があっという間に伝わる今、誰もが思いつかない新しいものを産み出すのは困難です。そんな中でも「なるほど」「おおっ」と感じる製品、サービス、研究がある訳ですから作り手としてはやっぱりそこを目指したい。
ところがひたすら制作に励み、孤独な作業に没頭するあまり、往々にして「フォースの暗黒面」に捉えられてしまったような場面に陥ります。
揺るがざる信念と情熱を注いで作りあげた「へんてこなもの」たち、当人は絶対の自信がある訳ですが、まわりは何だか解らない。単なる独りよがり、自己満足・・周りの目もよくわからない芸術家?ヘンテコ発明家?奇矯な変人、あげくに怪しい人物・・。
「誰が何と言おうと俺は作りたいから作る!」と断言してしまえる程の度胸はありませんから、世間に受け入れて貰えるかどうかはとても気になるところです。だからと言って媚びてしまうと作品がいやらしくなるので、「自分が欲しい作りたいもの」と「世の中に受け入れてもらえそうなもの」の方向性が合うものを探すのがポイントだと、まあ自分も楽しく、みんなも楽しくなるものが理想ですけれど。
そこでここ最近、気になっているのが「クラウドファウンディング」というシステムです。クラウドコンピューティングとかと混同しそうですが、同じ「クラウド」でも"群衆"と"雲"で意味が違います。ひとことで言うと「ネット上であるプロジェクトを宣言し、広く薄く寄付や出資を募る」ことです。米国では普及していて日本でも広まりつつあります。
実は「小さな旅」シリーズもいくつかの企業に打診してみたのですが、軒並み断られました。
大きな企業では自社デザイナーが居るのにわざわざ外からデザイン入れるのは躊躇するし、中小では確実に売れる保証のあるものでないと手は出してくれない。ましてやこのご時勢、誰も危ないもの(笑)には近寄りたくない。
個人で細々作ったところで手間がかかりすぎて値段が跳ね上がります。量産効果でコストを下げたくとも企業は手を出せない。そこで残された道が「クラウドファウンディング」かもしれないのです。
作り手が暴走してヘンテコなものを作り出してしまう危険性を排除し(去年やってしまいました・・)、世に受け入れられる作品なのかを厳しく選別されます。作り手としては緊張しますが、とてもありがたいシステムでもあります。
日本でもいくつかのクラウドファウンディングのサービスがスタートしています。特に、制作方面では
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)が有力なので、準備が整い次第チャレンジしてみようと思います。
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